正面に見えるのがサン・ペドロ火山。

富士山のようにきれいな三角形をしている。


わたし達が訪れたのは雨季の始まりだったので

雲がかかり、山がくっきりと見えることはなかったが、

乾季には青い空と山が湖面に映り、とても美しいそうだ。


湖の周囲には先住民が住む小さな村がたくさんあって、

それぞれが異なる色と柄の織物(ウィピル)を作っている。


わたし達が訪れたサンティアゴ・アティトランでは

市場に集まる女性は、大人も子供もみな、

薄紫のウィピルで作った衣装を身に着けていた。

これは特別な日の衣装ではなく、日常の普段着。



でも、わたし達がここに来た理由は別にある。


実はペンション田代や村岡さん家でエケコを登場させたところ

皆揃って「マシモンと同じだー」と言うのだ。

マシモンとはタバコが好きで、酒好き、女好きの神様で

それがここサンティアゴ・アティトランにいるらしい。

エケコは確かにタバコが好きだけど、酒好きで女好きか???


でも似ていると言われたからには行かなければ!


エケコと2人で記念写真を撮らなければ!


ところが・・・


マシモン、わたし達の想像とはまったく違っていた。


村の子供の案内で小さな建物に入ると、そこはもうもうと煙が焚かれ、

男性が2人、呪文のような祈りを捧げている。

奥には豆電球で飾られたキリスト像が横たわる棺が置かれ

おもちゃのピアノを叩いたような聖歌が流れている。


その中心にいるのがマシモン。




木でできたマシモンは確かにタバコを加えており、

隣の男性が時々灰を落とし、新しいタバコに替えている。

男性達はマシモンにお酒を飲ませ(どこに入るの?)

自分達もお酒を飲みながら祈り(呪文にしか聞こえないが)を

捧げ続けているのだ。


怪しすぎる・・・。


とてもエケコを取り出す雰囲気ではなかった。


すっかりあてられてしまったわたし達は早々に教会を後にした。

びっくりした。


エケコはもう少し可愛げがあると思うんだけど。