ティカルの夕陽をどこで見よう。

相談した結果、4方向すべてが見渡せる

「失われた世界」にあるピラミッドの頂上に決めた。



雲が厚く、太陽はときどき顔を見せるだけ。

地平線にもべったりと雲が張り付いている。

「これ、夕陽見れるのかなぁ」と不安になる。

その雲も薄く赤く染まっているが、太陽は見えない。

周囲がだんだん暗くなっていくなか、ともに頂上にいた

ガードマン(警備員)のホルヘがタイムアップを告げた。


ティカル遺跡は夕方6時でクローズする。

以前は遺跡内にこっそり留まり、ピラミッドの頂上で

夜を明かして朝日を見る旅行者もいたようだが、

最近ではそれを防ぐため、遺跡内の夕陽スポットには

時間になると旅行者を出口へと誘導する係員がいるようだ。


残念ながら夕陽は見れなかったけど、このホルヘから

そこにいた旅行者に思わぬ提案が告げられた。


「どこに泊まっていますか?ティカル内ですか?

 明日、サンライズを見ますか?

 だったら入り口に朝4時半に来てください。

 サンライズは5時半過ぎなので、 

 4号神殿からの朝日が見られます。

 1人40ケツァールです。

 わたしの名前はホルヘです。」


というような内容だ(スペイン語なので多分、だけど)

普通ティカルの入場料は1日50ケツァール(750円)だ。

それとは別にかかるの?それとも安くなるの?

でもわたし達のスペイン語力では詳しいことまで聞けないし

理解できない。でも普通は朝6時からしか入れない遺跡内に

4時半に入れるならラッキーかも。


翌朝、まだ真っ暗な中を懐中電灯片手に入り口へ向かうと

昨日ピラミッドの頂上で見かけた旅行者とホルヘがいる。

40ケツァールを払ってホルヘと共に中に入る。

するとチケットチェックポイントに係員がおり、

入場料の50ケツァールをここで払うようにと言われる。

えっ・・・やっぱり別なの???


何だかわからないけど、日の出までに4号神殿の頂上まで

たどり着かなければならないから、チケットを買って先を急ぐ。

ジャングルの中だから当然真っ暗で、懐中電灯がなければ

足元も見えない。辺りからは鳥や動物の鳴き声、カサカサと

草葉を揺らす音が聞こえてちょっと怖い。

40~50分も歩いた頃、ようやく4号神殿に到着。

うっすらと明るくなり始めている。


↑4号神殿から見た1号・2号・3号神殿(1番手前)
朝もやの中にぼんやりと浮かび上がる。



↑今日も雲がかかり、残念ながら日の出の瞬間は

見ることができなかった。

それでも雲の合間から差し込む太陽の光が

神殿を照らし始める様子はとても神秘的。

この4号神殿は741年に建造され、高さ70メートルで

ティカルで最も高い。またコロンブス以前のアメリカ大陸で

最も高い建物でもあったそうだ。


雨季に入る時期なので、雲が多くて夕陽や朝日が

くっきり見えなくてちょっと残念。

でも神秘的で幻想的なティカルを見れたので大満足。


それにしても気になるのはホルヘに払った40ケツァールの行方。

これってやっぱりワイロなんでしょうか???

でもチケット売り場にはちゃんと係員がいたし、正規のガイドも

いたんだけど・・・。でも4号神殿に着いてみれば、そこにいたのは

昨日、ピラミッドの頂上で夕陽を眺めたメンバー(ホルヘに声を掛けられた

メンバー)だけだったし。


本当のところ、どうだったんでしょう・・・