タバスコ州の州都、ビジャエルモッサへやって来た。

今日ここへ来ることは、サンクリの宿を出る30分前に

急遽決めたことだった。本当はもっと後に来るはずだったけど。

またもルート変更。


とりあえずバスターミナルに行くと、ちょうど1時間後の

バスがある。最後の2席だった切符を買って出発した。


ビジェエルモッサは想像していたより遥かに都会だった。

大きなバックパックを背負ったわたし達はなんだか

場違いな雰囲気・・・


ここに来た目的は『彼』に会うこと。

出発前からhitoが行きたがっていた場所だ。

翌朝、ラベンタ遺跡公園へ向かう。


いた!


(劇団ひとり じゃありません)


わたしの身長より大きな巨石人頭像。重さ20トン以上。

ここはメキシコ文明の源と言われるオルメカ文明の遺跡で、

「彼」は紀元前1200年~紀元前400年に造られたそうだ。

3000年も前に栄えた文明ってすごい。


彼の顔。

丸くて大きな鼻と厚い唇はどう見てもアフリカ系の黒人のもの。

「オルメカ」はアステカ語で「ゴムの国の人」という意味なので

どこか熱帯のゴムが採れる国からはるばるやって来たのでは

ないかと考えられえいるそうだ。


そういえばペルーのリマにある天野博物館に行ったときにも

同じような話を聞いた。

博物館にはペルー各地で発掘された土器や人形が数多く

収蔵されているが、その中に、どうみても先住民族とは

違う特徴を持った人形が複数あると言うのだ。

ヨーロッパ系の高い鼻、黒人系の丸い鼻と厚い唇、

わたし達アジア人に似た細い目の人形もあった。

歴史上は1492年コロンブスがアメリカ大陸を発見、

とあるけれど、それよりももっと以前に、違う大陸から

やって来た渡来人は数多くいたのだろう。

そして彼らは尊重されて存在し、交流していたたのだろう、と。


2人で手をつないでも届かないほど、丸くて大きな彼に会えて

大満足。

彼に会うだけが目的だったので、夕方のバスでビジャを後にし、

夜行バスで次の街、オアハカへと出発した。


一応、彼以外にも彼女もいました。

名称:グランドマザー(おばあちゃん)